昨日も暑い中、施設へ母を迎えに行き、左目の白内障手術のため眼科へ向かった。
出発前からひと波乱(水分バトル)
行く前に、
「暑いから飲み物買っとこうか?」
と聞くと、
「そんなん要らん。涼しいところに居てるのに、お腹冷えるやろ。」
そう言われたので、自分の水だけを買った。
ところが受付で保険証の確認をしている最中、母は私のバッグからペットボトルを取り出し、ゴクゴク飲み始めた。
……要らんて言うたんちゃうん!
家ボス、開始30秒で前言撤回である。
前回の右目の手術では待ち時間が長かったので、今回は時間潰しを考えた。
間違い探しでも持って行こうかと思ったが、目を使うし、眼球をキョロキョロ動かすのも術前には良くない気がして何も持って行かなかった。
幸いテレビが付いていたので、それを見てもらっているうちに、今回は右目の時より早く呼ばれ、そのままスムーズに手術室へ。
私は待合室のモニターで手術を見せてもらった。
何度見ても感心する。
あれほど白く濁っていた水晶体が、こんなにも綺麗になるのか。
先生の手際も見事で、約15分で手術は終了した。
そして翌日。
妹が術後検診のため施設へ迎えに行くと、母は眼帯ではなくゴーグル姿で出てきた。
私は前日に施設の方へ、
「眼帯は明日の診察まで付けたままでお願いします。」
とお願いしていた。
ところが夜中に母が勝手に外したらしい。
理由は、
「パサパサするから。」
怒られても本人はどこ吹く風。
いつもの家ボスである。
眼科の待合室で事件発生
さらに眼科では、真正面に座っていた頭の薄いおじいさんを見て、
「光ってる。」
と笑いながら一言。
しかもそのおじいさん、補聴器をつけていた。
「絶対聞こえてるやん」
妹が青ざめながら、慌てて注意すると、
「あんた、なんで怒るん?おかしいんちゃう?」
と言い返されたらしい。
案の定、その後すぐに妹からLINE電話。
何回も。
「もう恥ずかしくて連れて歩けへん!」
と怒っていた。
その足で腰の骨折の一か月検診へ向かうと、
「私は骨折なんかしてない!」
と、そこでも家ボス節全開だったらしい。
それでも検査結果は素晴らしかった。
そして肝心の目の方は
右目は0.6から0.9へ。
左目は1.0まで回復。
本当に手術を受けて良かったと思う。
……そう思ったのも束の間だった。
私の顔を見るなり母が一言。
「あんた!なんでそんなシミあるの!」
横で妹が大笑いしながら、
「姉ちゃん、視力ようなったからや。」
と追い打ちをかける。
誰のお陰で今があると思ってるねん。
毎回汗だくになって自転車を漕ぎ、病院や施設を走り回ってるのは誰や。
そら、シミの一つや二つ増えるわ。
しかも、その日はちゃんとファンデーションを塗ったつもりだった。
でも、この暑さで汗と一緒に流れ落ちていたらしい。
それを見た家ボスが最後に放った一撃。
「あんた、その顔なんや。綺麗な肌してると思ってたのに、シミだらけやんか。」
……そのシミ。
そもそも、あんたが元凶やねん。
でも、視力が良くなった母の最初の標的は、娘のシミだった。
家ボスの視界はクリアになった。
私の心は、ちょっとだけ曇った。
目が見えるようになって、良かったのか悪かったのか。

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