ケアマネの後押しと、意外な好条件
見学から数日後、今度はケアマネさんが自らその施設を見に行ってくれたらしい。プロの目線で見てどうやったんか、正直めっちゃ気になってた。
聞いた話によると、ケアマネさんが把握してる範囲では、待遇としては結構ええんちゃうかとのこと。しかも金額も、受けられるサービスの内容を考えたらそこまで高くない。むしろ良心的な部類やという。
「合うか合わへんかは、入ってみな分からへんとこもある。一回入ってもらうのもアリやと思いますよ」
そう言われて、ふっと肩の力が抜けた。「いつでも嫌やったら出れますよ」の一言も大きかった。介護施設選びって、どうしても「一度決めたら後戻りできへん」みたいなプレッシャーがあるんやけど、その緊張がちょっと緩んだ瞬間やった。
さらに追い風になったのが、敷金が先着10名まで無料やという話。正直そこにこだわってたわけやないけど、高額な入所金がいらへんっていうのは、家計を預かる身としてはやっぱりありがたい。条件が重なって、なんかもう「ここでええんちゃうか」という気持ちがどんどん固まっていった。
ケアマネさんという第三者の、しかもプロの目線からの後押しは、想像以上に大きかった。ずっと一人で背負ってきた決断に、誰かが「それでええと思いますよ」と言ってくれる。それだけで、こんなに心が軽くなるもんなんやなと、あらためて感じた瞬間やった。
「ここに決める」翌朝、まさかの急ブレーキ
その晩、私は一人でじっくり考えた。
条件、待遇、金額、そして「合わへんかったら出られる」という逃げ道。材料は揃った。もう迷う理由がない。
そして、私は妹ボスにLINEで施設の動画を送った。
「ここに決める」
送信した瞬間、なんか肩の荷が一つ下りた気がした。長年一人で抱えてきた在宅介護に、ようやく次の章が始まる。そんな清々しい気持ちやった。
——のも束の間。
翌朝、6時半妹ボスから連絡が入った。
「考えたら、寝られへんかった」
「その話ちょっと待って。一回、家ボスを帰らせてあげたい」
まさかのブレーキ。私としては「決めた」つもりやったのに、妹ボスはそう簡単には首を縦に振ってくれへんかった。
条件は揃った。心も決まった。せやのに、まだ超えなあかんハードルが残ってる。
正直、拍子抜けした部分もあった。せっかく心を決めたのに、また振り出しに戻された気がして。せやけど、妹ボスなりに家ボスへの想いがあってのことやと分かってるから、無下にはできへん。
家族で同じ方向を向いてるつもりでも、大事な場面になると、それぞれ譲れへん部分が違う。それもまた、介護をみんなで担っていくということなんやろうと思う。
家ボスを一度家に帰す。それがどういう意味を持つんか——次の章で、また綴っていこうと思う。
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