大切な人⑤

介護日記

妹との情報の扱いのズレ

今日は妹ボスを連れて、結いの苑への申し込みに行ってきた。

事前にメモしていた確認事項は、ちゃんと聞いてきた。

解約の話。
電気や住民票の手続き。
長期入院になった場合の退去の扱い。
そもそも「長期」とは、どれくらいの期間を指すのか。

抜け漏れなく、ひとつずつ確認した。

ところが今日は、どうにも引っかかることがあった。

あんたに聞いてないんやけど

妹ボスは介護の仕事をしている。

それ自体はええ。

せやけど、職員さんが説明してくれている最中に、横から妹が割り込んでくる。

「それはこういうことやから」

……いや、聞いてるのは私や。

あんたに聞いてないんやけど。

喉まで出かかった。

もちろん、妹なりに「分かっているから教えてあげよう」と思っているんやろう。

でも、私はその施設の職員さんから直接聞きたい。

なぜなら、介護の仕事をしているからといって、すべての施設の仕組みやルールを知っているわけではないからだ。

しかも妹は、転職経験が一度もない。

今の職場も、以前の施設が閉鎖になって新しいところへ移り、まだ数ヶ月。

ずっと同じような環境で働いてきたからこそ、自分の知っていることが「普通」になっているのかもしれない。

妹の口癖は、

「普通は」

である。

でも、その「普通」は、あんたの職場の普通であって、ここの普通とは違うかもしれへん。

私は、どんな時でも必ずケアマネさんや施設の職員さんに直接確認する。

それが私の中でのルールだ。

妹の「知ってる」を鵜呑みにしたことは、一度もない。

そして、上から目線

それに今日は、とにかく上から目線に感じた。

介護の仕事をしているという「専門性」を前に出されると、こっちも反論しにくい。

でも、経験があることと、今回のケースの正解を知っていることは、まったく別の話だと思っている。

介護の専門職としての知識は尊重する。

だからこそ、施設のことは施設の人に聞く。

私はその線引きをしている。

「契約くらいやったら私がしとこか?」

次回は契約の日程を決めることになった。

ところが、妹と私の休みが合わない。

すると妹が言った。

「契約くらいやったら私がしとこか?」

いやいや。

そこ、一番大事なところ。
一番肝心な契約という本番を任せられるわけがない。

むしろ今日一日で、

「これは私がやったほうがええな」

という判断が、はっきりした。

「携帯からやなんて、わかりにくい」

そして妹は、帰りにこんなことも言い出した。

「最近はなんで全部携帯からなんやろ。申し込みも契約も、金融機関の変更も。もうちょっとわかりやすくしたらええのに」

私は言った。

「今の現状についていけるようにせんと、何もでけへんようになるで」

時代はどんどん変わっている。

ほとんどがスマホで完結することが増えた。

もちろん、分かりにくいこともあるだろう。

でも、

「分かりにくいから、誰かが分かりやすくしてくれるまで待つ」

では、これから先、困ることが増えてしまう。

分からないなら、自分で調べる。

聞く。

覚える。

私は、そうしていくしかないと思っている。

決めてきたよ

契約の日は、結局私が決めてきた。

1日。

これから先も、私が主導で進めていく。

妹に任せることが悪いわけではない。

妹には妹の得意分野がある。

でも、今回のことで分かった。

家ボスのことに関しては、

「ここは妹に任せる」
「ここは私がやる」

その境界線を、ちゃんと決めたほうがいい。

今日一日で、その線引きがくっきり見えた気がする。

たぶん、これも家ボスを守るために必要なことなんやと思う。

家族やから全部一緒にやる。

家族やから全部分かり合える。

そんなことは、案外ない。

大切な人を守るためには、
「誰が何をするのか」を決めることも、大切なのかもしれない。

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