ご縁、ご縁と言う女

昔の私は、「ご縁」という言葉が好きだった。

人との出会いも、仕事も、全部巡り合わせ。

そんな響きが、どこか素敵に思えた。

でも今は、その言葉を少し違う意味で考えるようになった。

以前、一緒に働いていた同僚は、何かあるたびに言っていた。

「何事もご縁やから。」

売れない日は、

「今日はご縁がなかったね。」

売れた日は、

「今日はご縁があったね。」

最初は私も、「そうやね」と聞いていた。

でも、デモ販売の仕事を続けるうちに、その考え方は少し変わった。

立っているだけでは売れない。

お客様の様子を見て、タイミングを考え、声をかける。

何を求めているのかを観察し、一人ひとりに合わせて話をする。

そうやって初めて、小さなご縁が生まれる。

だから私は思う。

ご縁は、ただ待っていてもやって来ない。

自分から動いて、拾いに行くものなんだと。


ご縁、ご縁と言う女。その後

その同僚は少し前だが、会社を退職した。

会社にいる頃から、

「給料が上がらない。」

「会社の方針がおかしい。」

「言っても聞いてもらえない。」

そんな不満をよく口にしていた。

私は何度か伝えた。

「熱く伝えても、会社は社員一人の言葉だけでは簡単には変わらんよ」

すると彼女に

「私は言いたい事は言わないと気が済まない性分なので、ちゃんと伝えます」と

返された。

私はそんな面倒なことはしない。

「嫌なら辞めるだけやで」

それが私の考えだ。

一方で、彼女には働き方について譲れない条件もあった。

毎月たくさんの希望休を出し、勤務日数についても本人なりのこだわりがあった。

もちろん、それが悪いわけではない。

でも、シフトは一人では回らない。

誰かが休めば、誰かが支える。

仕事は、そうやって成り立っている。

先日、その彼女が久しぶりに売り場へ顔を出した。

開口一番、

これまで自分がどれだけ頑張ってきたか、

友達にも商品を勧めたこと、会社のためにやってきたこと

を次々と話し始めた。

きっと、自分の頑張りを誰かに認めてほしかったのだと思う。

でも私は、別のことを感じた。

退職すると決めたのなら、その決断を信じて前へ進めばいい。

過去を何度振り返っても、会社は変わらない。

変えられるのは、自分のこれからだけだ。

そして、もう一つ思うことがある。

人は毎日どんな言葉を口にするかで、表情まで変わってくる。

愚痴や不満ばかり話していると、自分自身もどこか疲れてしまう。

反対に、前向きな言葉を口にする人は、不思議と表情まで明るくなる。

言葉は相手だけではなく、自分自身にも返ってくるのかもしれない。


今日の学び

私は、ご縁を信じている。

でも、それは待っているだけで訪れるものではない。

勉強して、失敗して、行動して、また挑戦する。

その積み重ねの先に、ご縁はやって来る。

そして、せっかく巡り合えたご縁も、自分の考え方や行動次第で育つこともあれば、手放してしまうこともある。

だから私は今日も動く。

ご縁は、待つものじゃない。

拾いに行くもの。

そして、そのご縁を育てるのも、自分自身なんだと思う。

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