私は20年以上、デモ販売の仕事をしてきた。
売り場に立ち、お客様一人ひとりと向き合い、その人に合う商品を提案する。
この仕事が好きだ。
でも、長く販売の仕事を続けてきたからこそ、ずっと変わらない思いがある。
自分が納得できないものは、自信を持って勧められない
販売員は、ただ商品を並べているだけではない。
毎日商品に触れ、お客様の反応を見て、小さな変化や違和感にも気付く。
だからこそ、現場の声には大きな価値があると私は思っている。
もちろん、どんな商品にも改善は必要だ。
完璧なものは存在しない。
大切なのは、問題が起きた時にどう向き合うか。
現場の声に耳を傾け、より良いものへ改善していく姿勢ではないだろうか。
そして、品質だけが「良い商品」の条件ではない。
お客様が安心して購入できる仕組みも大切だ。
問い合わせ先が分かりやすいこと。
必要な情報がきちんと確認できること。
購入後も安心して使える環境が整っていること。
一つひとつは目立たない。
でも、現場に立っていると、そうした積み重ねこそがお客様の信頼につながると感じる。
私も以前は服を買う時、「この人から買いたい」と思う販売員さんがいた。
最近は売り上げのため、何でもかんでも売ってくる販売員さんも多い。
お客さんである私自身が似合っているか似合ってないか、年齢に沿うもの、
これなら安心して着れるものなど、ある程度は当の本人が一番よく知っている。
でも、鏡の前で「似合ってますよ」と言われると、それが本当なのか、高い物
を売りたいだけなのか、判断がつかなくなる時がある。
実際、勢いで買ってしまった服が、いざ外で着てみると浮いてしまったこともあった。
ハワイで買ったアロハシャツが、日本の日常では派手すぎて結局着れなかった、というように。
人を信頼して買っていたが、不安を感じることでお客様は離れるし、
一度信頼を失うと、戻ってこない。
だから販売という仕事は、お客様との信頼関係で成り立っているのだと思う。
会社の商品であっても、お客様の前に立つのは販売員だ。
だから私は、お客様に胸を張って勧められるものを届けたい。
「良いものだから伝えてください。」
その言葉は、自分自身が心から納得できる商品と環境があってこそ、本当の意味を持つ。
今日の学び
販売員に必要なのは、売る力だけではない。
お客様から信頼されること。
「あなたから買ってよかった」
「ずっとここで働いていてね」
その信頼を守るために、現場の声を届け続けること。
それが、20年以上デモ販売を続けてきた私の小さなプライドである。


コメント