電車での人間観察、3連発

日常を楽しむ

コンコンと肩をたたいた

つい先日のこと。電車で席が空いた。

仕事帰り。
迷わず座った、その瞬間やった。

次の駅で、
手押し車を押したお婆さんが乗って来た。

私は慌てて、
お婆さんの肩を「コンコン」と叩いた。

「どうぞ」

そう言おうとした瞬間、
お婆さんは笑ってこう言った。

「お姉ちゃん、有難う。でもな、
この手押し車、椅子になるねん」

そう言って、
手押し車を器用に椅子に変えた。

「せやから大丈夫やで」

その言葉に、
私は「良かった」と思いながらも、
何とも言えん気持ちになった。

周りを見た。

私より若い人ばかり。

みんな下を向いて、
携帯を見ている。

誰も悪い訳じゃない。

でも、
ネットの中の情報には敏感やのに、
目の前の人には気付きにくくなってるんかな、
って少し思った。

そしてもう一つ思った。

お婆さんも、
「人に頼ったらあかん」
って思って生きて来たんかなって。

「これ椅子になるねん」

あの言葉には、

“迷惑かけへんようにしてるから大丈夫”

そんな空気も少し感じた。

たった数秒の会話やった。

でも、
こういう瞬間って、
人を温かくしたり、
少し考えさせたりする。

最近、
私は電車で携帯をあまり見なくなった。

最初はブログのネタ探しのつもりやった。

でも、
目を向けると、
電車の中には
人の人生が転がっている。

今日のお婆さんみたいに。

白髪=お婆さんと思ったら、網タイツだった話

これも電車での出来事。

少し離れた場所に、白髪の女性が立っていた。
隣には娘さんらしき女性。

私は自然に思った。

「お母さんと娘さんやな」

しかも白髪。
これは席を譲った方がいいやつやと思った。

「どうぞ、座ってください😊」

すると隣の女性が、

「大丈夫です…」

と、少し苦笑い。

あれ?
なんか空気違う?

そう思いながら、その時はそのまま終了。

数分後。
私の向かいの席が空いた。

その二人が座った瞬間、私は見てしまった。

白髪女性の足元——
まさかの網タイツ。

……え?

その瞬間、全てを悟った。

お婆さんちゃう。
娘でもない。

友達同士や。

しかも多分、私よりオシャレ楽しんでる。

遠くから見て、勝手に

「白髪=高齢者」
「隣=娘」

と脳内で決めつけていたのは、完全に私だった。

今の時代、ほんま見た目だけでは分からん。

若く見える人もいれば、若くても貫禄ある人もいる。
白髪でも網タイツ履いて人生楽しんでる人もいる。

そして私は学んだ。

席を譲る前に、
まず足元を見ろ。

——いや、そこちゃうか。

ヤンキー

電車の中。
3人掛けに、ヤンチャな茶髪の少年たち。

足を広げて、態度も大きい。
いかにも「関わらない方がいい」タイプ。

私は向かいに座り、静かに距離を取った。

周りを見渡すと、スーツ姿の大人たち。
きちんとした格好、整った髪型。
いわゆる「ちゃんとしてる人たち」。

次の駅で扉が開く。
おばあちゃんが乗ってきた。

一瞬、空気が止まる。

——誰が立つ?

その瞬間。

ガタン、と音がして
立ち上がったのは、あの3人だった。

「どうぞ」

短くて、迷いのない声。

おばあちゃんは驚きながらも席に座る。
少年たちは、その前に立ったまま。

ふと周りを見る。

スーツの大人たちは、何事もなかったようにスマホを見ている。

さっきまで「ちゃんとしてる」と思っていた人たち。
さっきまで「関わりたくない」と思っていた少年たち。

——あれ?逆じゃない?

人は見た目やって、よう言うわ。
でも現実はもっと単純や。

ちゃんとしてる“格好”と、
ちゃんとしてる“行動”は、別物らしい。

あの日、席を譲ったのはヤンキーで、
何もしなかったのは、大人だった。

さて。
どっちが、ちゃんとしてるんやろうね。

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