大切な人 ①

介護日記

もう少しだけ、一緒にいさせてください

6月、母が圧迫骨折をした。

入院し、その後、血栓が見つかった。

その時の私は、神様に何度もお願いした。

「どうか助けてください。もう少しだけ、一緒にいさせてください」

それくらい、母との時間が大切だった。

その後も、夏の暑さや白内障の手術が重なり、母は今もショートステイで過ごしている。

母は今も「早く帰りたい」という

私が顔を見せに行くと、母は決まって言う。

「早く帰りたい」
「あんたが一人で可哀想や」

その言葉を聞くと、涙が出るほど嬉しい。

家に帰したら、きっと危ない

認知症があっても、母にとって私は娘なんだ。

そして、私のことを心配してくれている。

そんな母を見ていると、家に連れて帰ってあげたくなる。

できることなら、もう一度一緒に暮らしたい。

でも、私は分かっている。

今の母を家に帰したら、転ぶ可能性が高い。

足元がふらついている。

入院中、おむつを嫌がっていた母の姿も覚えている。

あんな思いは、もうさせたくない。

そして私は仕事をしている。

母のそばにずっといることはできない。

今は地震も多い。
大雨も多い。

もし、家にいる母に何かあったとしても、その時、私はすぐに助けに行けないかもしれない。

いや、きっと守れない。

そう考えると怖くなる。

もし、母に何かあった時、私はきっと後悔する。

「どうして施設を探さなかったんだろう」
「どうして家に帰してしまったんだろう」

きっと、何度も自分を責めると思う。

だから私は決めた。

家には帰れない。

お母ちゃんが安心して暮らせる、新しくて綺麗な施設を探すから。

許してね。

私はできる限り会いに行く。

顔も見に行く。
話もする。

手放すことじゃない。守るための決断。

一緒にいられる時間を、できるだけ大切にする。

母を施設に預けることは、母を手放すことではない。

私が母の命を守るために、できることを考えた結果なのだと思う。

あれから、母はまだここにいてくれている。

だから今度は、ただ長く一緒にいることだけを願うのではなく、

できるだけ、元気な母の姿を長く見ていたい。

それが今の私の願い。

ごめんね、お母ちゃん。

いつまでも元気な姿を見ていたいから。

どうか、許してね。

介護は、正解が一つやない。誰かに「よくやったね」
と言ってもらえることばかりでもない。それでも、母の命を守るために
私が出した答えが、今の決断やった。

これから始まる新しい生活が、母にとっても
私にとっても、穏やかなものになりますように。
そう願いながら、今日という日を綴っておきたいと思う。

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