日本語、惜しい。でも満点。

日常を楽しむ

仕事柄、外国人のお客様もよく来られる。

私は海外へ行く時、最低限の言葉は覚えて行くタイプやから、日本へ来る外国人の方もきっと一生懸命覚えて来たんやろうなと思う。

その努力が伝わるから、多少間違ってても微笑ましい。

ある日。

若い女性のお客様が化粧品売り場を探していた。

英語で場所を尋ねられたので案内すると、

普通なら、

「Thank you!」

とか、

「ありがとう!」

とか返ってくるところや。

ところがその子、

満面の笑みで、

「こんにちは!!」

と元気よく言った。

私は思わず振り返った。

「ん?」

今の流れで、こんにちは?

しかし本人は達成感に満ち溢れている。

すると横にいた友達が慌てて何か説明。

その瞬間、

「あっ!」

という顔になり、

今度はちゃんと

「ありがとう!」

と言った。

そして本人達は大爆笑。

私もつられて笑った。

たぶん覚えてきた日本語をここぞとばかりに使いたかったんやろうな。

そして別の日。

今度は外国人の男性。

通訳アプリを使いながら話しかけてきた。

男性が言う。

「フラット フィート」

すると通訳アプリが自信満々に表示した。

『僕はブラッド・ピットです。』

私は一瞬、お客様の顔を見た。

👀

ブラッド・ピット?

いや、違うやろ。

お客様も、

「違う違う!」

という顔で携帯を指差す。

そして再挑戦。

「フラット・・・フィート・・・」

通訳アプリ。

『僕はブラッド・ピットです。』

いや、もう確定やん。

ポンタ超えてきた!

(私のブログでお馴染みの、あのAIポンタである)

私は思わず笑いながら、

「扁平足ですね?」

と通訳アプリへ入力。

すると今度は一発で通じた。

なんやねん。

本人が言うたらブラッド・ピットで、

私が入力したら扁平足て。

通訳アプリ、気分で仕事してるやろ。

さらに別の日。

元気いっぱいの外国人男性。

帰り際に何度もお礼を言ってくれた。

「アリガトウ ゴゼーマシタ!」

「アリガトウ ゴゼーマシタ!」

惜しい。

ものすごく惜しい。

でもその一生懸命さが可愛い。

私は一瞬、

「ございます、ですよ。」

と教えようかと思った。

でもやめた。

きっと関西のどこかで、

もっと適任のツッコミ担当がいる。

誰かが、

「誰がゴゼーやねん!」

と愛情を持って訂正してくれるやろう。

私はその役目を未来の関西人に託した。

外国人のお客様を見ていると、

言葉は完璧じゃなくても伝わるんやなと思う。

むしろ間違えながらでも話そうとしてくれる方が嬉しい。

ただし、

通訳アプリ。

お前だけは別や。

扁平足をブラッド・ピットに変換するのは、

さすがにやりすぎである。

最後に通訳アプリにも一言言わせてほしい。

忙しい売場での外国人のお客様とのやり取り。

最も重要な役目を担っているのは、間違いなく通訳アプリである。

ところが肝心な時に限って、

クルクルクルクル……

回る。

待っても回る。

まだ回る。

今や!という時ほど回る。

やっと表示されたと思ったら、

「僕はブラッド・ピットです。」

いや、違う。

そうじゃない。

誰もハリウッドスターを呼んでいない。

こちらは扁平足の相談をしているのである。

通訳アプリよ。

頼むから仕事をしてくれ。

いや、仕事はしているのかもしれない。

ただ方向性がおかしい。

こんにちはをありがとうに変換する人達より、

フラットフィートをブラッド・ピットに変換する君の方が問題である。

ほんまに、

こっちの伝えたい気持ちを持て遊んでいるようだ

こうなったら最後の手段である。

ジェスチャー。

そして関西弁。

もちろん相手は日本語が分からない。

私も英語は得意ではない。

それでも、

「ここがこうなって〜」

「ほんでな〜」

「これがな〜」

と身振り手振りを交えながら必死で説明する。

不思議なもので、

意外と伝わる。

通訳アプリより伝わる。

ブラッド・ピットよりは確実に伝わる。

結局、

人間同士は言葉より熱量なのかもしれない。

たぶん。

知らんけど。

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