大切な人〜小さな冷蔵庫と、こたつのある午後〜 ⑦

寄り添う手のイラスト 介護日記

新しい部屋に、また荷物が増えていく。今回届いたのは、ニトリの8リットル冷蔵庫と、小さなこたつテーブル。

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小さな冷蔵庫がやってきた

「冷蔵庫は要らん」と母は言った。けれど、野菜ジュースの一本くらいは冷やしておきたい。だから、本当に小さいサイズを一つ、選んで買っておいた。


冷蔵庫といっても、今はいろんなメーカーからミニサイズが出ている。その中でニトリを選んだのは、単純な安心感から。「ニトリなら、まあ大丈夫やろ」という、あの独特の信頼感である。

機能面でも少し悩んだ。温め・冷やしの両方できるタイプもあったけれど、今回は冷やすだけのシンプルなものを選んだ。理由はシンプルで、機能が多い分だけ壊れやすい。母がホットドリンクを保温したい場面は、まずないだろうという判断もあった。

音は多少気になる仕様だったが、母は耳が聞こえない。だから、この点だけは何の心配もいらなかった。数少ない「聞こえないことが助けになる場面」である。

余談だが、ニトリ公式で買うと送料がかかる。今回は楽天市場経由で注文したところ、送料無料。同じ商品なのに、買い方一つでこれだけ差が出るというのは、地味に学びだった。

こたつと車椅子の散歩

冷蔵庫と前後して、もう一つ届いたのがミニこたつテーブル。

ユアサプライムスのラテ530F(50×30㎝)。私が買ったときは10,800円でした(送料無料)。


冬になれば暖房は入るけれど、足元まではなかなか温まらない。かといって普通の布団つきこたつだと、足を引っ掛けて転倒の危険もある。だから選んだのは、ブランケットを少しかけられるくらいの、サイドテーブルにもなる小さなこたつ。足を横からちょこっと入れられるくらいの、ちょうどいいサイズ。

お昼前に施設へ向かった。近くで先にランチを済ませてから行くと、ちょうど母の食事の時間と重なった。魚、小松菜、あと二品ほどのおかずに、ご飯とお味噌汁。母は私の姿を見るなり、慌てて「ちょっと待って」と言い出した。

「大丈夫やで、先に部屋に行ってるから、ゆっくり食べてきてな」

そう伝えて、先に部屋へ入り、こたつテーブルを組み立てた。組み立て終わる頃、母が戻ってきた。

母の耳はもう聞こえない。それでも、側でテレビを観る時間はちゃんと成立する。不思議なもので、家で一緒に暮らしていた時よりも、今の方が長い時間そばにいられている。そして、離れて暮らすようになってから、お互いに少し優しくなれているような気がする。

新しい施設はまだ準備が整っていないところもあり、鍼灸師さんが来てくれるのも月の半ば以降になるらしい。母は少し退屈そうで、足のむくみも気になったので、車椅子を借りて外に出ることにした。

久しぶりの、いい天気。暑いのは暑いけれど、あの猛暑を思えばずいぶんマシになった。足並みを合わせながら、ゆっくりと辺りを一周して帰ってきた。

結局、夕方の食事前まで、母のそばにいた。「帰る」と言い出すかと思ったけれど、その気配はなかった。母はずっと穏やかで、帰り際には手を振ってくれた。

会話はなかった。けれど、こたつを組み立てて、隣でテレビを観て、車椅子を押して散歩をして、また戻ってくる。ただそれだけの時間が、今日はとても良い一日だったと思わせてくれた。


次の休みは、母が靴を脱げるように一畳ほどの畳が届く予定。まだまだ部屋作りは続く。

「大切な人」シリーズ、続く

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