うちの母は、家では最強である。
いわゆる——
“家だけ大将、最強クレーマー”。
外ではおとなしいのに、
家の中では別人格レベルで強い。
そんな母、現在歯医者に通院中。
しかも——
全部、自分の歯。
それは素晴らしい。ほんまに。
で、どこが悪いのか聞いてみたら、
「ちょっと虫歯になりかけの所があって」
とのこと。
……それで半年。
半年通ってる。
いや、どんだけ慎重に削ってんの?
歯、ダイヤモンドなん?
さすがに気になって言ってみた。
「次行った時、いつ終わるか聞いてきて」
すると母、
「そんなんよう聞けるかいな〜」
……は?
家ではあんなに言うのに?
私には鬼の形相でクレーム入れるのに?
歯医者は無理なん?
結局、私が電話することに。
「半年通ってるんですけど、どの治療でこんなにかかってますか?」
するとあっさり、
「もう終わりますよ」
……終わるんかい。
今まで何やってん。
そして母は言う。
「ほら、もう終わるって言うてたやろ」
いや、それ私が聞いたからや。
あなた何もしてへん。
ここで私は確信した。
うちの母は——
外では借りてきた猫。
家では百獣の王。
結論。
クレームは場所を選ぶ。
そして我が家の弱者は、たぶん私である。

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