父に手を合わせようと思い、祭壇の電気をつけた。
ポチ。
……つかない。
あれ?と思い、もう一度押す。
ポチ、ポチ。
それでもつかない。
球切れかなと思いながら、祭壇の後ろを覗き込んだ瞬間、私は固まった。
コンセントが無い。
いや、正確には。
切られている。
しかも綺麗に、ハサミで。
一瞬、頭が追いつかなかった。
なんで?
何が起きた?
私は母に聞いた。
「これ、なんで切ったん?」
すると母は、悪びれる事もなく普通に言った。
「もう要らんから」
いやいやいや。
“もう要らん”で切る場所、そこなん?
しかも祭壇。
父、まだ普通に居てるけど。
ツッコミを入れようと思ったのに、この日は言葉が出なかった。
唖然。
完全に唖然。
家庭内特別案件の中でも、かなり上位に入る事件である。
ちなみにその日、ご近所さんは静かだった。

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