真っ白の靴を買った。
新しい靴って、ちょっと気分が上がる。
汚したくないし、大事に履こうと思っていた。
なのに。
母がその靴を見るたびに言う。
「それ、私のやろ?」
いや違う。
どう見ても違う。
サイズも違う。
買ったの私。
でも母は納得しない。
「なんであんた、私の靴履いてるん?」
いやいやいや。
その理屈、どこから来てるん。
しかも今回は、嫌な予感がしていた。
なぜなら過去に一度、ブランド財布に名前を書かれた前科があるからだ。
油性マジックで。
あの悲劇は忘れられない。
だから今回も、母が靴を見るたび少し緊張する。
そしてついに出た。
「名前書いとかなあかんな」
……やめて。
それだけはほんまにやめて。
ブランド財布の二の前になりそうだ。
白い靴の後ろにフルネームを書かれそうで、私は今日も気が気じゃない。


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